自殺サイトのオフ会に参加してきた自殺サイトのオフ会に参加してきたんだけど質問ある?1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 11:19:32.02 ID:AUr/ow9g0 それでも生きてる 正直ごめんな 36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 12:03:23.58 ID:AUr/ow9g0 5月某日 ぶっちゃけて言ってしまえば昨日、俺は身支度を整えて自宅を出発した そこそこ現金を入れた財布、いざという時の携帯電話、練炭の煙を防ぐ為のハンカチ・・・逃げる時の事も考えて持ち物等は必要最低限の軽装だ 外は少しだけ薄暗くて風が強い。天気予報じゃ降水確率も午前中は低かった筈なのに、雨がぱらついている まるでこれから起こる不吉な出来事を暗示しているかのような天気に一抹の不安を抱きつつも、俺は駅の改札を抜けてオフ会の場所へと向かった オフ会の場所は俺が住んでいる県からも近い場所。特定されるのは嫌ではないが、なんとなく伏せておく 電車を降りて、平日で人も少ない田舎のホームをとぼとぼと歩く。ここで幹事?というかオフ会を企画した人物とコンタクトをとるのがオフ会参加表明の最終確認 プラットホームの片隅(待ち合わせ場所)で幹事と思わしき女性と数名の淀んだオーラを醸し出す若者数名を発見した俺は、ゆっくりとその足を彼らにむけて進めて行った 42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 12:15:01.88 ID:AUr/ow9g0 「どうも、◯◯(俺がサイトで使ってたコテ)です」 一言つけて頭をペコリと下げる。多分タバコすいながら凸したからなのか、俺の第一声を聞いた皆の顔がやけに強張ったように見えた 「ああ、どうも~」 しかし、携帯をいじっていた女学生らしき女の子の明るい一言で、なんとか場の空気が少し柔らかくなった その空気と流れに乗って、幹事にももう一度改めて挨拶すると、何度も「参加おkですよね」って聞かれたので急に不安が大きくなる ここまで来て戻るのも面倒くさいし、メンバーを見ていると確かに全員メンヘラっぽいがそれほど精神的に参っているようには見えなかった 他人に興味なしとばかりPSPに没頭する奴や、爪をやたらと噛んでる奴はいたが、まだそれほどやばそうには見えなかった 「とりあえず後数人くるはずなんですけどね」と苦笑する幹事に愛想笑いで返しつつ、俺はベンチに腰をかけた 48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 12:26:13.08 ID:AUr/ow9g0 場の空気が重い PSPから流れてくるBGMと爪を噛む「カリッ、カリッ」の音が微妙に調和して規則正しく聞こえてくる 気分が悪くなる音楽ともとれない音楽に気が滅入り、ちょうど三本目のタバコに火をつけたときだった 駅の逆側(トイレとかある方)から一人の男性がこちらに向かって歩いて来ているのが目に映った。丸めた背中と帽子 ひょこひょことした足取りと言った感じで近づいてくる。それも確実に俺達をその視線に捉えながらだ 「オフ会の方ですかね?」 タバコの煙を肺から出しながら、幹事にそう訪ねてみる。深い意味はない とりあえず何か口にしなければ精神的にしんどかっただけだ 「さぁ・・・でも多分そうかな」 どことなく憂いと言うかどっちでもいいと言ったふうに幹事はそう答えながら近づいてくる男をぼうっと見ていた 54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 12:39:06.79 ID:AUr/ow9g0 男の歩き方は遠巻きにみているとまだ普通なのだが、近づいてくるに連れて徐々にその不格好さが目立つ歩き方に見えた 肩を上下に揺らしながら歩くというか、どことなく体に障害を持っている人のそれに似ている(特別気にしなければ普通だが 近づいてくる男に注目しているのはどうやら俺だけなようで、他の奴は他人になんて興味ないようだった 携帯に没頭する女学生、PSPのボタンを素早く連打する男性、爪を噛むおっさん、お菓子かじってるデブ女、なんだか俺も含めて日本の将来が見えた気がした 幹事と二人で近づいてくる男を出迎える・・・と言っても俺は幹事の横に立って場の空気を柔らかくするだけだ。数十分前に女学生がそうしてくれたように 「オフ会の方でしょうか?」 俺達の前でぴたりと動きを止めた男に幹事がそう訪ねる。改めて見てみると、それほどおかしい人ではないようだが、どことなく薄気味悪いオーラを漂わせている人だ 男は一幹事の問いに一度だけこくりと頷いてみせた。 「ええと、◯◯さんですか?」 とりあえず女学生が俺に話しかけてくれたように、場の空気を和ませようと思った俺は、適当に知っている男コテの名前をあげてみる しかし、その瞬間男の口が小さく動いた 「ちがう」 鋭い尖ったナイフのようなドスが効いているが高めのアンバランスな声で否定される 67 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 12:53:14.61 ID:AUr/ow9g0 「あっ、えっと・・・」 否定されるのは承知の上での発言だったが、やけに否定の仕方が強い調子だったので戸惑う、無駄に戸惑ってしまう 俺もそんなに人付き合いが得意なほうじゃないのでこういう時どうしたらいいか正直わからない そんな俺を見かねたのか、それとも今やっと男に気づいたのかは知らない、俺には分からない、が 「◯◯(男のコテ)さんですよね~」 女学生の言葉が冷えきった場の空気を常温とまではいかないが、先ほどまでの生温い空気に戻してくれた 男はまたこくりと頷くと「よろしくおおねねがいいぃします」と吃りのある声で俺達に挨拶し、俺の横、空いているスペースに腰を下ろした 「駄目ですよ、ちゃんと参加する人の名前くらい知っておかないと」 やたら無駄にクスクス笑う女学生に肩を突っつかれながらも(叩かれて?)正直助かったよと心でお礼を言う俺 この流れに便乗したのか、爪を噛んでいた男がその日初めて声を発した 「幹事さん(◯◯さん)後何人くらい来るんです?」 イライラしているのか、口調も早口でどこか刺がある。まるで、楽しくもない遠足に早く出発したいといった捻くれた幼児を見ているようだ 「一応現地集合・・・ですからね。もう少し待ってみましょうか」 幹事は細い手首にまいた腕時計を一見すると、苦笑を浮かべながらつぶやく。 それを聞いた男は小さく舌打ちすると、なにも言わずに駅のホームへと消えて行った 78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 13:06:57.19 ID:AUr/ow9g0 暫く無言の時間がまた流れる はっきり言ってしまえばしんどかったのが本音だ。喋らないのはいいにしても、雰囲気が重すぎる 大きく項垂れて顔を伏せていた俺、どれだけ時間が経過したかなんて分からない 多分まだ爪を噛んでいた男が席をたって5分くらいしか立ってないと思うが・・・そういやこういう時はやけに時間が経つのが遅く感じるな そんな無駄な事に思考を回しながら小さく吐息。 「どれにします?」 一瞬幻聴かと思ってしまう声にシラフをきる俺。項垂れていた頭に天空から声が降り注がれたかと思ったくらい悟りでも開けそうな気分だった 「◯◯さん?」 俺のコテと思わしき名前で呼ばれ、即座に返事「あっ、はい」 そして下に下げていた頭を上に持ち上げる。誰に話しかけられたのだろうか? 地面の薄汚いタイルを捉えていた俺の目に、突如水滴がついた沢山の缶ジュースが映し出される 冷静に思考を回し、目に映し出された情報を整理する。目の前にあるのは何者かの手に抱えられた複数の缶ジュース そしてその缶ジュースを抱えているのは爪を噛んでいた男だった。 やっとここで情報が確実に整理できる。爪は俺達がイライラしてるのを分かってて、多分ジュースを買って来てくれたのだろう、と 爪の心遣いある行動に感動しつつ、目前にあるジュースの中から甘ったるいコーヒーを選ぶ俺 「すいません、ありがとうございます」 「いえいえ、まぁ、ジュースでも飲んでゆっくり待ちましょうか」 皮肉っぽい言い方だったが、多分爪はいいやつなのだろう 97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 13:20:15.10 ID:AUr/ow9g0 爪の機転ある行動と、ジュースの効能(糖分の補給)も合わさって、少しだけ場の空気がよくなっていくのが手に取ってわかった 今時珍しいプルトップ?(かしゅってタイプじゃない奴)の缶をあけてコーヒーを口に含む もの凄く甘い。砂糖だけでなくミルクまで入っているのか、やけに甘く感じた(UCCでおk? 「うわっ、甘いな」 そして思ったままの感想を思ったまま口へと出す。さっきまでの雰囲気と空気なら確実に言えなかった台詞だが、今なら狙って言えるってのもあった 「ああ、すいません。甘いの苦手でしたか?女性の方もいらっしゃるからコーヒーは甘い方がいいと思ったんですが」 爪が俺の必死の台詞に便乗。相変わらず微笑しながら皮肉っぽいし、リアルじゃもっと気持ち悪いくらい敬語だったが気にしない 「もう飲んじゃったから飲まないと駄目ですね」 デブ女も便乗してくれる。太っている人は温厚だと言うが、正にその通りのようだ 「でも意外とイケますよね」 幹事は相変わらずどうでもいいようにちょっとだけ笑いながら便乗。同じコーヒーを飲んでいるにも関わらず、このコーヒーをおいしいと感じるセンスは凄いと思った まぁ、幹事はなんとなく全員他人行儀っていうか所詮他人は他人ってタイプっぽいから調子を合わせてただけなのかもしれないが・・・ 「ぶどう100%は苦いですよ、苦いより甘いほうがいいじゃないですか」 やたら笑いながら、やっぱり女学生も便乗。 その後ジュース談義でしばらく全員がワイワイと語りだす 帽子の男とPSPもなにか言ったような気がしないでもないが、PSPはやっぱりPSPを弄っていた印象しか残っていない 141 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 13:58:01.15 ID:AUr/ow9g0 閑話休題 予想以上に爪の機転が功を奏したのか、普通っぽい暗いやつらが集まるオフ会レベルの賑わいを見せる俺達 流れとしては、俺が適当な話題(雑学、生活、趣味など)を切り出し、それに爪が冷静な突っ込みと補足を本当に皮肉たっぷりに入れる そしてデブ女がなんか話題を発展させて、幹事が笑顔で相槌をうつ。女学生は各々にネタをふりながらクスクスと静かに笑うと言った感じだ 今思い返してみると、なにがそんなにおもしろかったのか・・・いや、多分客観的に見て聞いて、俺達の話してた話題がおもしろいなんて言える根拠とか理由は一つもないだろう どことなく新学期で新しいクラスになったときの自己紹介みたいなニュアンスがそこにはあったのかもしれない。とりあえず笑っておけ、そんで話題を絶やすなと言ったところだろうか そんなこんなでやけに長く、そして少しだけ楽しかった時間に終わりを告げたのは幹事の一言だった 携帯を一見した幹事は、少しだけ首を傾げて俺達に向き直る。それだけで会話が途絶えてしまうのだから不思議だ 「◯◯さんと◯◯さん、後◯◯さんですが、少し遅れそうなので先に移動しておいてほしいと連絡が今はいりました」 幹事の言葉を耳にいれ、やっと動けるという思いと、俺達の他にも後三名も合流するのかという複雑な気分が脳内でクロスし、ちょっとだけ俺も鬱になる 「じゃあ移動しましょうか?」 爪がそう言いながら俺達全員を見回す。どこか皆の表情が強張った気がした。 「そうですね」 とりあえずここでじっとしてても仕方が無いので返事を一つ。その場で立ち上がる ぱらつく雨がやけに鬱陶しく感じる。 立ち上がり、大きく伸びをする女学生とデブ女、PSPの電源を落とし首を回す男性、まだ座ったままの帽子、そして俺と爪に一瞥をくれると 「さぁ、いきましょうか」と言う言葉をそこに置き去りに、幹事はとぼとぼと歩き出した 150 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 14:09:48.75 ID:AUr/ow9g0 改札をぬける 無人駅ではないが、どことなく人寂しい駅だ こんな田舎で一体なにするつもりなんだろうか? 大名行列の如く、そこそこ人が行き交う路地を並んで歩く俺達 皆これと行った手荷物が無い事から、俺が予想していたような馬鹿な真似を起こす気はないように察することはできる だがしかし、自殺オフ会と称し、一人で苦しむより皆で苦しんだ方がいいという理屈を鵜呑みにして(ある意味安価で動いてる俺もだが)集まるような連中だ 普通のVIPオフみたいにカラオケとかボーリングとか飲み会とかで楽しんで終わりなはずがない 考えれば考えるほど青春を逆向きに歩いてるこいつらの行動が怖くなってくる 雨が素肌に触れる。湿度が高いせいか、じわっとした暖かさで蒸された空気と混ざり合って気分がどんどんブルーになっていく 「えっと、これからどこに向かうんですか?」 衣服についた雨雫を払いながら、傘をさしている幹事にたずねる。もちろん相合い傘なんて期待してる心の余裕なんてない 「そうですね・・・ゆっくり話ができる場所でしょうか」 淡々とした幹事の口調は相変わらずで、どこか薄気味悪い印象さえ俺にはあった 166 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 14:29:23.44 ID:AUr/ow9g0 暫く路地を歩くと砂漠に無理して作られた都市みたいな感じの町並みが姿を現す 適当に選んだのか、それともメンバーの中に地元の人がいてここを選んでいたからなのかは定かではないが、ファミレスに入ることになった ゆっくり話を出来る場所=ファミレス、なるほどと納得は出来たが、さっきの流れから言ってゆっくり話すほどこのオフ会参加者は社交的でもないと思うんだが・・・ 疑問も残るが、さくさくと入店して店員と話をつけ、俺達を後に続かせる幹事 とりあえず人数も多いし、まだ残り三名が来る可能性もあるので席を二席に分けて座る事になった そこで各々自己紹介とか色々話しましょうと相変わらずの笑顔で一同に告げる幹事 どうでもいいが一同から異様なダークさを感じたのは気のせいだったのだろうか なんか全員が全員。今から嫌いな奴と二人っきりになるみたいな顔をしていた とにかく幹事に続いて俺も席に座る。向こうの席では既に爪と女学生がなにやらよそよそしく話を初めているようだ とりあえず、どっちの席に座ろうかおどおどしているPSPをこっちの席に招き入れる幹事。それを見た帽子もこちらの席にいち早く侵入する デブ女は空気を読んでくれたのか、爪と女学生のテーブルへと移動して行った。 改めてこちらの席のメンバーを確認して吐息を一つ。ゲーマーに帽子、そして俺と幹事 間違いなく会話が弾まない。ゆっくり話をするとかいうレベルじゃない 169 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 14:36:30.82 ID:AUr/ow9g0 注文を聞きにホールのスタッフがやってくる 若い娘だったが、流石に平日の昼から怪しい集団の接客をすることになり、若干引き気味のようだ こういう時はコーヒーを頼むものなのだろうか? そう思いながらメニューを開く俺をよそに、ピザ、コーラ、スパゲティ、唐揚げなどのカロリーが高いものをばんばん注文しちゃう幹事 あまりの突拍子もない行動に唖然とする俺 「◯◯さんは(俺)、こんな感じでいいです?」 幹事の笑顔に何が何か分からないまま頷く俺 「お昼ご飯もかねて、皆で食べながら話しましょうか。それに私ちょっとお腹すいてたんですよ」 ふふっと笑う幹事に少しだけ人間らしさというか、歳相応っぽい反応を見た気がするが 昼ご飯を食べて来た俺に取っては、この後の会話と割り勘の食事は地獄と予想できた 173 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 14:43:05.64 ID:AUr/ow9g0 一通り並べられた料理をホールの娘が気を聞かせてもってきてくれた小皿にとりながら、口に運びつつ主に幹事と話をする 料理がくるまでの間も話をしたが、はっきり言って本当にあたりさわりのない話しかしていない お互いの年齢、仕事の話(俺はフリーターだが)等々、どうでもいい内容だ 幹事はどことなく仕事の話や家族の話になると感情を表にみせるところもあったが、基本的には能面笑顔で話し続ける PSPと帽子は相変わらずなにもしゃべらない。この関係を見ているとますますこのオフ会の意味が分からなくなってくる 向こうの席ではデブ女が泣き出しているようで、なんだかカオスな香りが漂ってくる 周りにいる少ない客も俺達をジロジロ見てくる。 いっそ店員に「お客様、迷惑になりますので」とかなんとかで追い出されたい気分だった 194 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 15:06:26.42 ID:AUr/ow9g0 盛りつけられた料理を小皿にとり口に運ぶ。 既に満腹感をつげている俺の体が見せる自己防衛機能のせいか、からあげが練りあげられた弾力のある団子みたいな食感と味にしか感じられない 「そういや幹事さんはこういうの慣れてるみたいですけど、よく行ってたりするんですか?」 満腹感を紛らわせようと幹事に話しかけるが、口にした瞬間、その台詞が地雷であることに気づく 俺がとっている意味(伝えたい意味)は幹事は面倒見がよくて仕切るのもうまいから、こういうオフ会になれてるのか? そういう意味合いで自分を謙遜語だかなんだか知らんが謙った意味合いの言葉を伝えたつもりだ だが幹事からしたらどうだろう? 俺の言葉をそのまま直訳すると、「さっきからやたら仕切ってるけど、おめぇよぉ、よく自殺サイト巡ってはこんなつまんねぇオフ会に参加してんのかよ」って意味にとられないだろうか 普通に考えたら深読みのしすぎだろう。だが相手は自殺サイトでオフ会しちゃうほど精神的に参ってる相手だ 被害妄想だかなんだかでそういう意味合いにとられていないだろうか・・・と俺まで誇張妄想してしまう とりあえず幹事の返答を待ちつつ、内心失言自重とか思考する 周りの空間がシャットアウトされて、幹事の行動がスローモーションに見えるくらい今日あったばっかりの人間、もうあう事もないだろう人間の返答におびえる俺は間違いなくチキンなんだろう 「そうですね。いつも死のう死のうって思って参加するんですけど、結局死ねないままズルズルと」 スパゲティを咀嚼し、飲み込んだ後、幹事は静かにそう言った 俺にしてみれば予想通りの返答と自ら墓穴をほった返答でもあった 204 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 15:23:58.13 ID:AUr/ow9g0 「じゃあ今日も死ねないままズルズルと適当に過ごして帰りましょうよ」 自分で掘った墓穴をうめるかのように、自分のなかのユーモアセンスをフルで稼働させて取り繕う 依然、VIPを見ていた時メンヘラが立てたスレで、死にたいのに死ぬなって直に言われるのが一番辛いと聞いたので、それに習ってユーモアを入れつつ言葉を補完する 「そうですね・・・きっとそうなると思います」 速い返事でそう答えた幹事はなんとなく怒っているというか、俺を煩わしく感じているように見えた 結局メンヘラでもなんでもない俺は、こちらから意見を述べる事も無くただ幹事の問いに、なるべく刺激がないような答えを返答する 占い師とかの気持ちが例えエセであったとしても分かったような気がした 暫くそんなgdgdとした時間が過ぎたころだっただろうか 店内にやたらお洒落なかっこうをした女がやってきたのは。颯爽とした様子で店内に入って来た彼女は、店員の「一名様ですかfjkdslfjk」と言う言葉を遮ると 俺達の座っているテーブルに颯爽と歩み寄って来た。その女が後にトラブルメーカーとなることなんて俺もPSPも帽子も爪も、知るよしはなかった 346 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 20:23:21.84 ID:AUr/ow9g0 ネコっぽい髪型(ボブっていうのか)と少しつり上がった猫目が印象的なその女は、俺と幹事とPSP、そして帽子が座っているテーブルに目をやると 威風堂々といった様子で、真っすぐに俺達を見据えながら早足で近づいてくる どこか少女っぽさというか、大人だが大人になりきれてない風貌と不器用な感じの見た目が印象的だった しかしその行動は、背後で「えっと、お客様・・・ちょ」とか言っちゃってるホールの姉ちゃんなんてなんのそのといった行動だ ネコっぽい女は、手前の席に座っている俺とPSPを見下すように目配りした後、奥に座っている幹事と帽子にも目をやる 正直、幹事が俺と会話しながらちょくちょく携帯いじってた事や、この場所で残りの三人を待つと言っていたことから彼女がこのオフ会の参加者であることはなんとなく推察することができた それにしても、どうみてもリア充しちゃってる爽やかイケメンの彼女にしか見えない女だな などと心の中で感想を述べつつ、突っ立ったまま俺達を見下ろす彼女に注目する俺。そして一同 351 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 20:31:37.66 ID:AUr/ow9g0 「幹事さん(◯◯さん)ですよね」 静寂を突き破り、ものっそいアニメ声で幹事に掌をむけて訪ねるネコ女 一瞬だれもが動くのを止め、時が止まったかのように空間が張りつめる 「あっ、はい。ネコ女さん(◯◯さん)ですか?」 もはや何回も同じやり取りを繰り返したであろうやり取りを笑顔で返す幹事 幹事はメンヘラ的なとこもあるけど、多分根はしっかりした面倒見のいい人なのだろうなと今なら思える 仕切るにしても必要以上に馴れ合わず(まぁオフ会自体馴れ合いだが)割り切って人と接することが出来るタイプってのは精神的に疲れるのも分かる気がする とりあえず幹事の模範的なオフ会のしきたりとでもいう返答に、うんうんと何度か頷き、なんか挙動不審に体を動かしながらネコ女は身振り手振りする 「はい。ごめんなさい、なんだか遅れちゃって朝起きたらもう12時だったってのもあって(ry」 どこか恥ずかしそうに笑いながら俺達一人一人にペコッと頭を下げるネコ女 どうでもいいのだが、さきほどから後ろで店員が対応に困っているので気をきかせて席をつめていた幹事にならって、俺も一つ横に席を移す 「えっと、とりあえず俺◯◯です。 あと、席つめるんでどうぞ」 さり気なく自己紹介もかねて、数瞬前まで俺が座っていた席をネコ女に勧める どうした事か、俺もこのオフ会で参加者の話を聞いたり無駄に気を使ったり精神を擦り減らしている内に気を使う側になっていたようだ 354 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 20:47:10.24 ID:AUr/ow9g0 ネコ女が合流してからは色々と話した なにを話したのかは大杉てよく分からん(まぁ割愛)ので雰囲気で分かってくれると嬉しい そこらのオフ会とあんまり大差ない会話だった。誰もが人と関わることによって自分の不鮮明で何に悩んでるのかも分からない不安を話すのではなくて どことなく不安だ。だから構ってほしい、死ぬきっかけをどうにかして与えないでほしいって思いつつも死にたいんだなぁって思うような・・・よく分からん会話をした ある意味じゃ勉強させてもらったような気がする ネコ女はその手の話になると、「死んじゃ駄目だよ、死んでも誰も喜ばない」とか「世界じゃもっと苦しんでる人がいる」みたいな中学生が語りそうなことを熱く語っていた気がする こいつは自殺サイトのオフ会に来たのに何を言ってるんだ・・・と正直思ったが、俺もその意見に同意を求められるとやんわりと拒絶した意見を述べながら、どこか真剣10代喋り場みたいな雰囲気を楽しませてもらった そうして席を入れ替わったりしながら皆で楽しくおしゃべりを楽しんでいる時は、自分が自殺サイトのオフ会に来てるのを忘れられたから良かった 356 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 21:01:40.83 ID:AUr/ow9g0 きっかけはひょんな事だった 例えば不運な事から車に跳ねられて死んだ奴がいたとする その不運というのが赤信号の交差点を渡ろうとして、車に跳ねられそうになった子供を助け、身代わりになった不運とすればどうだろう 身代わりになった人物は「子供を助ける」という気まぐれかつ無価値である(無価値ではないが)「ひょん」な行動をおこさなければ、車に跳ねられる事もなかったのではないか? つまりそう言う事だ 俺もあの時、「ひょん」な事から興味心で「あんな事」を口走らなければ、きっと普通に「オフ会」を人並みに楽しんで帰ってこれたのだろう ファミレスでの楽しいが、どこか憂鬱な気分になる食事を終える もちろん割り勘だが、あれだけ注文したのにもかかわらず俺達の払った金額は意外なほど少なかった 恐らくここでも幹事が気を効かせてくれたのだろう。あるいは一番年長者だった爪が多めにだしてくれたのか、真相は定かではない 店を出る。少しだけ肌寒くなった風が強風と一緒に俺達の体をふわりと包み込む 「雨は止んだみたいですけど、風は強いですね」 柔らかい笑みを俺に向けながら幹事は笑った。それは「これで濡れなくていいけど今度は風がつよいですね」という皮肉に聞こえた俺もある意味じゃ病んでいるのかもしれない 373 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 21:20:12.52 ID:AUr/ow9g0 太陽の木漏れ日すらも感じ取れない平日の風が強い町中 俺達はなぜかそこを微妙なテンションで練り歩く あまりにも手持ち無沙汰な状態を解消しようと胸ポケットにいれたタバコを一本取り出す こんな田舎じゃ歩きタバコが駄目なんて言う奴いないだろ そう思い、火をつけようとするが、やたら他のメンバーの視線が俺に集中した気がしたので咄嗟に吸うのを中止、そして代わりに吐息を一つ 次はどこに行くつもりなんだろうか いや、そもそもこのオフ会のそもそもの意味はなんだったんだろう。 一人で苦しむより皆で苦しんだほうがいい、なにか意味深な内容だが、俺達はこれからどうなるのか そもそも内容を他のやつらは幹事から聞いているのだろうか? 俺だけ教えてもらえてなかったのだろうか 多種多様な思考が脳内を駆け巡り、そのどれもがネガティブな考えに変えられていく そんな俺の思いを代弁するかのように爪がどことなしに呟く 「もうここらでお開きですかね?」 386 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 21:51:12.87 ID:AUr/ow9g0 どうなのだろうか。俺の中でどこか釈然としない思いと、でも爪の言う事も分かるような気がする的なことが分かるような・・・ このままgdgdと不鮮明でどうでもいい不安を延々と語りながらカラオケやら娯楽に行きまつったところで、結果は結局不安が先延ばしになるだけで何の解決にもならないし はっきり言ってこのメンバーで完璧に打ち明けて辛い思いを話し合うなんて不可能 言ってしまえば爪は俺らを見限った発言をした事になる だが、それが必ずしも非難される発言(空気嫁)とかではないことも分かる とりあえず、なんだか気まずくなった空気を漂わせつつ、近くのデパートらしき場所に風よけもかねて避難 「凄い風だぁ」やら「折角髪型整えてきたのに」などなど、子供のようにはしゃぎ回る女学生とネコ女をよそに、これからどうするかを話し合う爪と俺と幹事 「これからどうします?」 なんだかそう言いだすのも気まずい雰囲気だ まだ外が晴れてたならやることもあったろうに、外のコンディションはとてもいいとは言える状態ではなく、俺達のテンションも一部を除いてがた落ちに近い さて、どうしたものか 考えに考えた挙げ句(実際にはそんな考えてないが)俺が出した結論は実に突発的で答えを各個人に委ねるものだった 「外あんなだし、折角皆集まったんだから、とりあえず自由行動みたいな感じでどうですかね?」 勝手に口が動くとは正にこのことで、なんとはなしに発した俺の一言に「そうですね」と便乗する幹事 「デパートを見て回るもよし、そこらの喫茶店でのんびりするもよしって言う事ですか、いいかもしれないですね」 爪は俺の台詞につけたしのようにそう加え、何度かうんうんと一人で頷く 「ハルヒですね、ハルヒ。不思議探索っていうか」 なにが面白いのか、やたら乗り気なネコ女 その後、俺達は女学生の「おもしろそうな所を各自で探して、それっぽい所があったらメールで連絡とりあって皆でいきましょう」的な案に全体的に合意し、メールアドレスを交換 もはやなんのオフ会であるか分からない流れになる 399 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 22:08:12.03 ID:AUr/ow9g0 今書いてるんだが、眠たい奴もいるようだし 保守してくれてたお前らにも悪いんでオチだけでいいんだったら書いて終わりにするぜ 410 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 22:13:24.50 ID:AUr/ow9g0 じゃあお前らにも悪いしパッとオチ(オチっつぅかどうなったか)みたいなの箇条書きにして終わりにするよ 415 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 22:25:32.26 ID:AUr/ow9g0 自由行動以下の流れ 自分から案だしといてなんだが面倒臭いからデパートの休憩所でタバコすって待機 PSPからメールがくる PSPが実は家出してるので泊めてくれないかと話にくる 丁重にお断り 軽く発狂 とりあえずなだめる 一人じゃ手に負えないんで俺が応援を呼んでいるうちに姿をけすPSP 416 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/05/11(金) 22:26:10.22 ID:AUr/ow9g0 一番近くにいたネコ女と合流。「死ににきたんだから死んでやる」というメールを残して消えたPSPを全員で探すことになる 自殺オフの連中で自殺メールのこして消えたやつを探すはめに 爪発狂、幹事逆切れ、帽子泣き出すなどのハプニングありでなんとかPSPを補足する ネコ娘のビンタと号泣でカオスと化す PSP暴れだす 全員で乱闘ウマー 警備員出現で逮捕フラグ とりあえずPSP強制送還でめでたしめでたし こんな感じだったんだ とりあえず低速gdgdすまんかった 反自殺クラブ |